15歳~17歳と12歳~15歳のCOVID-19ワクチンについて

 

ここ数週間、東京ではCOVID-19の症例が急増しています。この増加に伴い、いくつかの問題が生じています。8月から9月にかけて、これら問題を解決するための重要な文書の翻訳を紹介します。1つ目は、青少年や子供達への予防接種の問題です。以下は、英国政府の保険省に予防接種やワクチン接種に関する助言を行う独立諮問委員会である英国のJoint Committee on Vaccination and Immunisation の8月4日付プレスリリースです。

(下記プレスリリースの翻訳は、公式のものでは無い事をご了承下さい。)

 

プレスリリース

ワクチン接種・予防接種合同委員会 (JCVI)、16歳から17歳の若年層へのCOVID-19ワクチン接種に関する最新のアドバイスを発表

JCVIは、本日16歳と17歳の全ての若者にファイザー・バイオンテック社製のワクチンの初回接種を受けるよう勧告します。

 

英国公衆衛生局

発行日

2021年8月4日

 

ここ数週間で、英国内で特に若い年齢層のCOVID-19による感染の広がり方に大きな変化がありました。成人のワクチンプログラムは非常に順調に進み、より多くの安全性データが得られるようになったため、子どもや若者へのワクチン接種に関するアドバイスを見直すことが重要となりました。

 

この最新のアドバイスは、若年層が初回接種を受けた場合、約80%の入院予防効果が得られると確信できる事を意味しています。若年層はワクチンへの反応が良く、またCOVID-19に既に感染している人もいるため、初回接種への反応がさらに良くなることから、予防率は恐らくさらに高まると予想されます。

 

JCVIは、英国やその他の国の最新の安全性データを調査し、若い年齢層でいくつかの重篤な副作用が報告されていることを把握しています。その中には、心筋炎(心筋の炎症)や心膜炎(心臓の周りの膜の炎症)が含まれます。これらは極めて稀で、通常は2回目の投与から数日以内に発症し、一般的に若い男性に多く見られます。

 

米国のデータによると、12~17歳の男性では、初回投与100万人あたり9.8件の心筋炎が報告されています。2回目以降は100万人あたり67人に増加しています。ほとんどの人はすぐに回復しました。

 

COVID-19は通常、若年層では軽度であることがわかっているため、非常に稀ですが、可能性のある副作用とワクチンの利点を比較検討することが重要です。

 

英国では、成人の間でワクチンの摂取が順調に行われていますが、COVID-19による重篤な被害リスクが低い若年層に対しては、より予防的なアプローチでワクチンの接種を行うことが可能となります。1回目の接種を優先し、2回目の接種の推奨を遅らせることで、JCVIは2回目の接種について最新の情報に基づいた最良の助言ができ、同時に重篤な疾患を早急に対処する事が可能となります。

 

今後は2回目の接種時期を遅くすることで、例えば、就職や大学進学の時期や、冬に再び感染者が増加し始めた場合などにより長い期間にわたって予防効果を高める事を目指しています。秋学期に若者が元気に学校に通えるようにし、教育への影響をできる限り少なくすることが重要です。現時点では、若年層への初回投与を優先することをお勧めします。

 

2回目の接種を行う場合は、1回目の接種から12週間後以降になると思われます。1回目と2回目の間に8~12週間の間隔を空けることで、より長い期間予防効果が得られるという利点が徐々に明らかになってきています。

 

若年者が予防接種を受けた後に以下のような症状が出た場合は、111番に電話するか、GP※1を受診してください。

 

  • 全身に広がる胸を刺す様な痛みや圧迫感
  • 肩や腕に広がる首の痛み
  • 軽い運動や歩行時に息切れがする
  • 安静にしているときに息苦しくなったり、頭がぼーっとする
  • 高熱、疲労感、倦怠感などのインフルエンザのような症状
  • 動悸や心拍数の異常
  • 吐き気を催す

心筋炎と心膜炎に関する詳しい情報は、British Heart Foundation(英国心臓財団)から入手できます。

 

JCVIのCOVID-19 委員長であるWei Shen Lim教授は、次の様に述べています。

 

「最新のデータを慎重に検討した結果、健康な16歳から17歳の方には、ファイザー・バイオンテック社製のワクチンを1回目に接種することをお勧めします。2回目の接種時期についての助言は改めて行います。」

 

「COVID-19は、ほとんどの若年層では軽度または無症状ですが、一部の人にとっては非常に不快な症状となる可能性があります。この特定の年齢層では、1回の接種で重症化や入院を十分に防ぐことができると期待しています。」

 

JCVIが以前に助言したように、重度のCOVID-19のリスクがある特定の基礎疾患を持つ12歳から15歳の子供には、8週間の間隔を空けて2回のファイザー・バイオンテック社製ワクチンの接種を行うべきです。

 

これには、重度の神経障害、ダウン症、免疫抑制、重度・多発性学習障害、重度学習障害、または学習障害登録をしている子供が含まれます。ワクチン接種の対象となる基礎疾患を持つ子どもたちは、グリーンブック※2で更新されます。

 

免疫抑制者の家庭内接触者である12歳以上の子供と若者にも、ファイザー・バイオンテック社製のワクチンを2回接種する必要があります。

 

 

※1 GP= General Practitioner:  総合医

※2 グリーンブック: 英国の予防接種解説書

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