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カイトパワー

 

地上200メートル以上の高さに巨大な凧を揚げ、そこで得た風を利用して発電を行う企業があります。ヨーロッパやアメリカの企業の中でも、早くから開発を始めた企業の1つであるハンブルグを拠点にするSkySails Power社は、最大180平方メートルの凧を800メートルの綱で地上局に取り付け、空中で8の字を描く事で地上の発電機に平均80キロワット(米国の一般家庭約60軒分に相当)の電力を供給する事が可能です。最終的には、メガワットの発電が可能な大型の凧を作りたいと考えています。風力発電所に何百もの凧が集まっている様子をイメージしているのだそうです。

 

Kurt Kleiner氏は、『Knowable Magazine』に寄せた記事「Could High-Flying Kite Power Your Home?」の中で、次のように説明しています。「空中風力発電システムは、基本的に2つの方法で発電します。SkySails社のような地上でのアプローチは、地上にある発電機を動かす「揚力」を利用します。地上に設置されたテザーの端はウインチに巻き付けられ、凧が風を切って飛ぶとテザーが引っ張られ、ウインチ(巻き上げ機) がほどけ、発電機が動いて電気を生み出します。そして、凧を浮かせたままリールを巻き戻すと、また同じサイクルが始まるのです。」また、イギリスの企業であるカイト・パワー・システム(KPSA)が開発した例では、スプール (リール)につながれた2つの凧を使用します。時速約100マイル、8の字を描くように飛行しながら、ケーブルを引っ張り、糸巻きを広げるようにドラムを回転させる事で電気が発生します。1つの凧が下がると、もう1つの凧が上がるので、絶えず電気が発生する事になります。

 

「もう1つの方法は、凧の上で発電する方法です。飛行機の翼のような硬い凧に、小型の風力タービンを取り付けて発電します。凧が揚がると、風でタービンが回転し、発電した電気がテザーを伝って地上局に送られるのです。」とKleiner氏が説明を続けます。

 

しかしながら、カイト・パワーを実現するためには、さまざまな難題を解決しなければなりません。例えば、現在のシステムは天候が安定しているときにはうまく機能しますが、突然の予測不能な強風には対処できない可能性があります。この問題を解決するには、悪天候のときは降りてきて、風があるときは上がるというように、凧の離着陸を自動化することが必要です。さらには、産業側は凧が騒音公害や住民の景観を乱すことがないことを明確にしなければなりません。また凧の綱自体が素早く動いて見えにくく、鳥が凧を避けにくい可能性がある事から、鳥へ及ぼす影響も確かではありません。

 

英国の新興企業であるKPS社によると、最終的には1台のカイトシステムで約500キロワットの発電が可能となり、これは約430世帯分の電力を供給するのに十分な量に値します。彼らの技術は、スコットランド南西部にある旧RAF訓練基地でテストされる予定です。上記のような問題を解決できれば、新しい市場への参入を可能になるだろうとKPS社は話しています。KPSのビジネス開発ディレクターであるDavid Ainsworth氏は、後者の記事「Kite Power: No Longer a Flight of Fancy?」でKunal Dutta氏に、「特にアジア、南米、アフリカの途上国からの関心が殺到している」と述べています。「私のビジョンは、世界のどこでも展開できるシステムを作ることです。気象条件や海が深すぎるなどの理由で、風車を使えない地域は沢山あります。」

 

 

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このブログの名前でもあり、1つ目のパートである’Out of the Blue’ではあまり知られていないことや、ちょっと変わった事柄について紹介します。2つ目は’A Good Idea?’というタイトルで、世界中に溢れる「ためになる情報」を様々な事例と共に紹介します。これら2つのパートは実際のレッスンでも使用しています。